「そろそろ親の一人暮らしが心配だけど、何から相談すればいいか分からない」「近所に高齢の一人暮らしの方がいて、少し気になっている」。そんなとき、頭の片隅に置いておいてほしいのが「地域包括支援センター」です。名前は聞いたことがあっても、「結局何をしてくれるところなのか」がいまひとつ分からないという方も多いのではないでしょうか。
このガイドでは、地域包括支援センターの役割と、実際にどんな相談ができるのかを整理しました。
地域包括支援センターとは
地域包括支援センターは、介護保険法に基づいて市町村が設置する、高齢者のための総合相談窓口です。「地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援すること」を目的とした施設で、全国に5,000か所以上、中学校区を単位の目安として設置されています。
京都市では「高齢サポート」という愛称で、市内61か所に設置されています。多くの自治体と同様、実際の運営は市から委託を受けた社会福祉法人や医療法人などが担っており、京都市も委託型が中心です。
どんな人が利用できるか
- 65歳以上の高齢者本人
- その家族や親族
- 近隣に住む高齢者のことが気になっている地域住民
- ケアマネジャーなど、福祉・介護に関わる関係者
「本人が高齢者本人でなくても、家族や近所の人からの相談でも構わない」という点は、意外と知られていません。相談は無料で、電話でも窓口でも受け付けています。
3つの専門職による「チームアプローチ」
地域包括支援センターには、それぞれ専門性の異なる3つの職種が最低1名ずつ配置されています。
- 保健師:医療的な視点からの相談対応が中心。介護予防のケアプラン作成、介護予防教室の企画、独居高齢者の家庭訪問などを担当
- 社会福祉士:福祉・介護の視点からの相談対応、権利擁護(成年後見制度の案内、高齢者虐待の防止・早期発見など)を担当
- 主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員):地域のケアマネジャーへの支援・助言や、地域ケア会議の開催など、包括的・継続的なケアマネジメントを担当
1つの相談に対して、3つの専門性を組み合わせて検討できることが、地域包括支援センターの大きな強みです。たとえば「認知症かもしれない」という相談であれば、保健師が医療的な課題を評価し、社会福祉士が成年後見制度の活用を検討し、主任ケアマネジャーがケアプランの方針を助言する、といった連携が行われます。
4つの業務内容
① 総合相談支援業務
高齢者や家族からのあらゆる相談を受け止め、適切なサービスや制度につなげる、いわば「入り口」の業務です。介護保険サービスに限らず、地域の保健・医療・福祉サービスや、ボランティア活動などのインフォーマルな支援も含めて案内してもらえます。
② 権利擁護業務
高齢者虐待の防止・早期発見、詐欺や悪質商法の被害対応、認知症などで判断能力が低下した方のための成年後見制度の利用支援など、高齢者の人権や財産を守るための業務です。
③ 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
地域で働くケアマネジャーへのサポートや助言、医療機関・地域の関係機関とのネットワークづくりを行います。困難なケースについて、地域のケアマネジャーが相談できる後方支援の役割も担っています。
④ 介護予防ケアマネジメント業務
要支援と認定された方などが、状態に応じた介護予防サービスを適切に利用できるよう、介護予防のケアプランを作成します。まだ要介護認定を受けていない方でも、介護予防に関する相談は可能です。
こんな相談ができます(例)
- 「親が最近物忘れが増えた気がする。まず何をすればいい?」
- 「一人暮らしの高齢の親が心配。今後の生活について相談したい」
- 「介護保険サービスを使いたいけれど、申請の仕方が分からない」
- 「近所の高齢者が、最近訪問販売の勧誘に応じてしまったようで心配」
- 「遠方に住む親のことで、地元の福祉サービスの情報を知りたい」
「まだそこまで困っていないけれど、なんとなく不安」という段階でも相談して構いません。むしろ、深刻化する前の早めの相談が、その後の負担を軽くすることにつながります。
京都市内の窓口
- 高齢サポート(地域包括支援センター):京都市内61か所。お住まいの地域を担当する高齢サポートが、身近な相談窓口になります。平日9時〜17時
- 各区役所・支所 保健福祉センター 健康長寿推進課 高齢介護保険担当:介護保険の申請窓口としても機能
- 京都市介護認定給付事務センター:TEL 075-708-7711(要介護認定に関する問い合わせ全般)
- 京都市長寿すこやかセンター:認知症や介護に伴うストレスなど、より専門的な相談を電話・来所・メールで受け付け
どこに相談すればいいか分からない場合は、お住まいの地域を担当する高齢サポートに連絡するのが最も確実です。担当エリアが分からない場合も、区役所に問い合わせれば案内してもらえます。
利用するときのポイント
- 相談は無料。何度でも利用できます
- 担当者との相性が合わないと感じた場合は、担当の変更を申し出ることも可能です
- 電話だけでの相談も可能なので、まずは気軽に問い合わせてみましょう
参考リンク
- 厚生労働省:地域包括支援センターの概要
- 厚生労働省:地域包括支援センター業務マニュアル
- 京都市:介護サービスの利用手続
- 京都市:介護保険サービスの利用手続について
- 地域包括支援センターとは?役割・3職種・相談できることをわかりやすく解説(介護のハタラクナカマ)
- 地域包括支援センターとは?4つの役割と職種別の業務内容(福祉のキャリアマガジン)
本記事の制度内容は取材時点のものです。制度改定や自治体ごとの運用の違いがあるため、詳細は上記の窓口にご確認ください。

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