「大雨のとき、車いすでどうやって移動したらいい?」「離れて暮らす親が、ひとりで避難できるか心配」。災害への備えは、非常持ち出し袋を用意するだけでは決めきれないこともあります。
そんな不安を、本人・家族・支援する人で具体的に話すきっかけになるのが「個別避難計画」です。京都市の公式案内をもとに、どんな計画なのか、どこに相談できるのかを紹介します。
個別避難計画は、一人ひとりの避難の段取り
京都市は個別避難計画を、災害時の避難に支援が必要な方に合わせた計画と説明しています。本人の状態だけでなく、住まい周辺の災害リスクも踏まえて考えるものです。
「誰に連絡するか」「移動でどんな手助けが必要か」「どこへ、どの道で向かうか」。普段の生活を思い浮かべながら、一つずつ整理していきます。
京都市が優先して作成を進めているのは?
市は、心身の状態と地域の危険性を考慮し、特に支援が必要な方について、福祉専門職の協力を得て作成を進めています。公式案内では、要介護3以上、または障害支援区分4以上という条件と、土砂災害の警戒区域や浸水想定3m以上の区域などに住むという条件が示されています。
浸水想定が0.5m以上3m未満でも1階住戸に住む場合など、住まい方によって対象になる場合があります。「数字だけで自分は対象外」と決めず、個別の事情を相談してください。
また、市は、優先して専門職が関わる方以外の名簿登載者についても、本人や家族などによる計画作成を勧めています。
最初の相談は、普段つながっている人から
介護サービスを使っている方は担当のケアマネジャーに、障がい福祉サービスを使っている方は相談支援専門員に、まず「災害時の避難が心配」と伝えてみましょう。
手助けを頼める人が見つからない場合について、市の作り方資料では、高齢の方は地域包括支援センター、障がいのある方は障害者地域生活支援センターを通じて、地域の団体などと相談する方法が示されています。
制度全体について相談先が分からないときは、京都市保健福祉総務課(電話 075-222-3366/FAX 075-222-3386)へ確認できます。
相談前に、家族で書き出しておきたいこと
次の項目は、話し合いを始めるためのメモの例です。すべて埋めてから相談しなければならない、ということではありません。
- 連絡:本人への伝え方、家族の連絡先、電話に出られないときの連絡方法
- 移動:段差や階段で困ること、車いすなどの用具、必要な介助
- 持ち物:普段使う薬、医療・介護用品、必要な電源
- 行き先:避難先の候補と道順、使えない道があった場合の別の経路
京都市の手引・様式は公式ページから確認できます。本人が大切にしていることも、一緒に伝えておくと話し合いやすくなります。
計画ができても「必ず迎えが来る」わけではありません
市の資料では、計画に沿った支援が必ず行われることを保証するものではない、と説明されています。支援する人も被災する可能性があり、自分と家族の安全を確保したうえで、できる範囲の支援を行います。
一人だけに頼りきるのではなく、連絡がつかない場合を含めて話し合っておくことが大切です。本人や家族、支援者の個人情報を記すため、共有する相手と同意を確認し、保管にも気を付けましょう。
名簿の意向確認が届いた方は、内容の確認を
個別避難計画とは別に、京都市は避難行動要支援者名簿を作成しています。2026年10月15日更新の公式案内では、新たな名簿登載者に対する情報提供の意向確認書類を10月23日から順次発送し、返信期限を11月15日としています。
期限までに返信がない場合は同意があったものとみなす取扱いも示されています。届いた方は、どのように情報が使われるかも含めて同封書類を確認し、不明点は市に相談してください。意向の変更も受け付けています。
出典:京都市「避難行動要支援者名簿」の情報提供に係る意向確認
まずは「気になることを一つ伝える」から
いきなり完璧な計画を作ろうとしなくても大丈夫です。「玄関の段差が心配」「家族が昼間は遠くにいる」。普段の困りごとを一つ伝えるところから、もしもの備えを考えてみませんか。
ふらっと京都では、京都で安心して暮らすための情報を、これからも紹介していきます。
※2026年10月27日に確認した京都市の公式情報に基づきます。対象や手続きは個別に確認してください。本記事は平常時の備えの案内です。
参考資料
- 京都市「避難行動要支援者の避難支援対策について」
- 京都市「個別避難計画作成に係る作成の手引及び要綱等」(2026年5月22日更新/「個別避難計画の作り方<概要版>」参照)
- 京都市「個別避難計画作成推進事業の取組」
- 京都市「名簿の情報提供に係る意向確認」(2026年10月15日更新)

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